鹿追町の話続きます!
前回は自然環境の側面から、
鹿追には貴重なモノが沢山残ってるよね、
って話をしましたが、
そことも繋がってくる内容ですねー。
というコトで案内されたのはコチラの施設。鹿追町環境保全センターバイオガスプラント。
実は、鹿追町は
「鹿追町ゼロカーボンシティ推進戦略」
といって、脱炭素に向けて町を挙げて
積極的な取り組みをしてるんですが、
その核となるような施設が
このバイオガスプラントなんですね。
では実際どんな施設なのか…?
説明していただきました。
案内いただいたのは、鹿追町役場
農業振興課の石津 功喜さん。
そもそもこの「バイオガスプラント」が
造られたのは、鹿追でさかんな酪農が
深く関係してるそうです。
鹿追には市街地周辺にも
酪農家が10軒ほどあるんですが、
牛舎からは牛の糞尿が排出されますよね。
以前はその糞尿を畑の肥料として
生のまま使ってたんだけど、
実際問題…結構ニオいます
で、臭いに対して町民からクレームが上がり、
その対策として2007年に立ち上がったのが
このバイオガスプラントなのです。
周辺の酪農家から出る糞尿は、
まずこの「発酵槽」へ送られます。
そしてこの中で約38℃に加温して
20~30日ほどじっくり発酵すると、
臭いの元が分解されてバイオガスに変わる。
そして糞尿は発酵することで
臭いがほぼなくなるそうなんですが、
「消化液」と呼ばれる臭いが消えた糞尿が
蓄えられるのが、さっき背後に写ってた
この巨大なタンクなんですね↓タンクは3基あって、計24,000㌧ほどの
消化液が貯められるんだけど、
消化液は発酵して臭いが消えても
肥料としての効果は変わらないそうなので、
最終的には肥料として畑に還元されます。
その消化液で育った牧草やデントコーンを
牛が食べて、そして排出される糞尿が
発酵してまた消化液になる。
こうした、いわゆる「循環型農業」が
ココでは確立しているのです
一方、そこで発生したバイオガスは…コチラの「ガスホルダー」へ↑
このバイオガスの約6分の5は
発電に使われますが、
残り6分の1は別の目的に回されます。
それがコチラ!↓水素ステーション。
バイオガスはメタンガスが60%、
二酸化炭素が40%、あとは微量の
硫化水素や水分で出来てるんだけど、
そのメタンガスに高温の水蒸気を
当てることによって、そこから
水素を抽出できるそうなんですね。
水素と言えば、次世代型のクルマとして
水素自動車なんてモノも開発されてますが、
鹿追町ではこの水素自動車を
公用車として10台も導入実際、この日も役場の方がずっと
この車で随行してくれてました。
燃料が少なくなったら、
ココで作った水素をこのステーションで
いつでも充填できるワケですね。
僕、正直こういうエコな車
メチャクチャ興味あります
…まぁなかなか価格的に手が出ないけど
ちなみにこの公用車は、
東京オリンピック・パラリンピックで
使用された車を譲り受けたそうですよ
そして残り6分の5のバイオガスはコチラの発電機で発電に回されますが、
ココでは1日約6,000kwを発電。
うち2割はこのプラントで自家消費され、
残り8割は北海道電力に売却、
つまり「売電」されて一般家庭などでも
使用されることになるそうです。
さらにこのプラントでは
発電した時に出る熱を他のことにも
活用してるというコトで、
そちらも見学させていただきました。
まずはコチラのビニールハウス。ココで栽培されてるのは…
マンゴー!
普通マンゴーって、確か宮崎とか
南国のイメージありますよね?代わって鹿追町役場商工観光課の
鈴木 綾さんに説明していただきました。
国産マンゴーの旬は、一般的には
5月~8月の夏頃らしいけど、
ココでは発電機の熱を使うことによって
11月~1月の冬の時期にマンゴーを収穫。
逆に冬の間、ハウスの裏側に雪山を作って
夏にその雪を使ってハウス内の地熱を下げ
冬と夏を逆転させて栽培することで、
冬にマンゴーを収穫することが
可能になったそうですハウスでは多い時だと700~800個くらい
マンゴーが採れるらしいけど、
マンゴーは冬場に採れると価格が上がるので
本州の百貨店で贈答用として
なんと1個¥10,000~¥50,000くらいで
販売されるそうですよ
そしてもうひとつの活用例がコチラ↓水槽がたくさん並んでますが、
コチラで飼育されてるのは…チョウザメ。
チョウザメって言ってもピンと来ないかな?
このチョウザメ、卵をほぐして
塩漬けにしたものが「キャビア」になります。チョウザメはロシアやカナダ・中国など
北半球に多く生息する魚で
成長段階によって適正な水温が変わるけど、
生育に最適な水温は20℃くらい。
で、ココにも発電で発生した熱が使われて
最適な水温を管理してるというワケです。現在養殖されてるのは約6,000匹。
キャビアはやっと今年製品化の目途が付いて
秋ごろからの販売を目指してるそうだから、
ツアーをやる9月頃には
買えるようになってる…のかな?ちなみにマンゴー栽培やチョウザメ飼育は
2017年からスタートしたそうですが、
なんでマンゴー&チョウザメ…?
って思って聞いたら、当時の町長が
「熱を使って事業をするなら、
夢のあることをしたい」と
仰ったからなんだとか
ところで後ろにある水槽…いろんな人のサインが入ってますねー
↑は2014年に応援大使を務めた
中田選手(右)と杉谷選手のサイン。そして芸人さんから大物政治家まで!
コレは僕もサイン入れるしかないでしょー!…というコトで、一番相応しい?場所に
サインさせてもらいましたよ♪
今回はちょっと難しい話になったけど、
鹿追町はこういう取り組みしてるよ、
ってのを知ってもらう意味でも
ツアーでもココは見学しときたいかな、
って考えてます。
その際にはぜひこのサインも
見てってくださいねー(笑)。
コメント
5 件のコメント
勉強になります。資源の有効化には化学の知識あるとわかりやすいですね。
チョウザメの卵はユニークな形してましたよね。
マンゴーとチョウザメとはまた凄い
サインした皆さんもなかなかよいですね。
サインした所 水槽だったんだー


SDGsのエネルギー開発の1つ
としてバイオガスの設備を見学
できるかもーはなかなかいい機会
になりそう
勉強になるー
全部循環して役立てられてる!
️
そして町長さんの
「夢のあることをしたい」という
素敵なアイデア
マンゴーやキャビアは
ちょっと手が出ないけど
他にもB・Bがオススメする
ふるさと納税返礼品のご紹介
お待ちしていまーす
こんにちは。なんか今風な施設だなあと思った。プロ野球選手も大物政治家も来てるの凄い。B・B水素自動車に興味あるのか。電力が売買できること初めて知った。北海道で作るマンゴーは確かに夢がある。キャビアって食べたことないんやけどあれってうまいの?疑心暗鬼になってる。
マンゴーにキャビア
なかなか手が出ないもんな……
エネルギーは石油や石炭、天然ガスだけじゃないってこと、勉強になります。私の住むところと周辺は、かつて炭坑で栄えた街が多くて、変わっていくことに驚きもあり勉強不足を感じます。