さて名寄編のレポート一通り終わりまして、
士幌町の話がまだちょっと残ってました。
来週また応援大使絡みで士幌に行くんで、
このタイミングで残りの話をしますね
というコトで今回は「気になるお店」の続き。
第3弾はコチラのお店になります!カフェ&ランチ いちい。
士幌の市街地からは車で7分ほど。 周囲を畑に囲まれた田園風景の中に
ポツンとあるお店です。店内はこんな感じ↑いつもジャズが流れててイイ雰囲気
実は僕、このお店これまでも
何度か行ったことありました
以前アテンドやってくれてた平田さんが
士幌出身で、ココをおすすめされたのが最初。
212ロケの時とか、幼稚園訪問の時も行ってて
いつかちゃんと紹介したいと思ってました。
では詳しくお話を聞いていきます!お相手は店主兼自称「トーク担当」の
大野 一郎さん。この「いちい」は、大野さんと
調理担当の奥様、育子さんのご夫婦で経営。
店のオープンは20年前の2004年の8月で、
ちょうど僕のデビューと同じ年ですね
大野さんの家は代々この場所で農業を営んで、
大野さんもお店を始める前は
4代目として農家をされてたんだけど、
このお店は大野さん曰く
「全くやる意思のない状態から始まった」
そうなんです。というのも、その頃大野さんの娘さんに
お子さん、つまり大野さんのお孫さんが
生まれたんだけど、その子が
24時間ケアの必要な重い障害を
抱えてたそうなんですね。
そのため、娘さんもこの場所で手伝いながら
みんなでその子の面倒を見ていく
生活スタイルにしようと、
農家を辞めてこの店を開くという
大きな決断を下したというのが
始まりだったんです。とは言え、大野さんはそれまで
飲食は全くの未経験💦
素人の状態からお店を始めたんだけど、
一方で奥様は農家時代、
ご主人たちが農作業から上がって来る時に
タイミング良く料理を作ってサッと出す、
という経験で鍛えられた「料理の手際良さ」と
優れた舌の感覚があったそうなんですね
そうして夫婦二人三脚で、
この「いちい」はスタートしました。
そんな大野さんが、お店をやっていくうえで
何よりも大切に目指してるモットーは
「お客さんにとって居心地の良い場所」。
そもそもが奥様と2人だけでやってる店なんで、
お客さんを「回転」させると
イッパイイッパイになってしまうし
回転すればするほど失敗も多くなる。
であればあえてあまり回転させず、
自分達のスタイルに合わせて
お客さんが長くお喋りができて
くつろいでもらえるお店にしたい、
という考えが根底にあるそうですねとにかく大野さんの言葉の端々には
「本当に居心地の良い場所を作りたい」
という徹底した意識が感じられて、
まず店内に置く物すべてが
「長居しても良いんだ」というオーラを
常に出すようにしてるらしい
時にはお客さんを1時間以上
待たせることもあったりするんで、
テーブルには最初からお茶をポットで、
水もピッチャーに入れて
オシャレな店とは程遠いような量を用意して
自分のペースで飲めるスタイルにそしておやつとしてテーブルには
キャンディーも必ず置いておく。
それから「エンドレスのお喋り」を
いかにできる環境かも意識してるそうでゆっくり喋れる個室も用意して↑
大きな笑い声が聞こえてきても
「静かにしてください!」なんて注意はしない。
こういう意識付けは、開店当初の
20年前からずっとしてきたそうです
そんな徹底した意識が醸し出す雰囲気が受けて、
お店は開店当初から順調に成長
十勝管内はもちろん、道外からも
この辺に来ると年に1回は絶対に寄るという
お客さんも全国にたくさんいるそうです
奥様はシャイらしく、取材の時も
姿を現してくれませんでしたが
その分大野さんが「トーク担当」として
関西方面からのお客さんにも負けないような
ジョークをまくしたててメチャウケてる
お客さんは回転させないけど、その代わり
大野さんが回転してるらしいです(笑)。
お客さんも、一度お店に入ったら
5~6時間くらい滞在するのはザラ
「客を回転させて、いかに多くの利益を生むか」
が求められるこの時代、
「もったいない」と言われることもあるけど
大野さんは気にする様子もありません
…と、僕こういうお店紹介する時
お店の人の考え方とか生き様ばっかり
どうしても語ってしまいがちだけど💦
肝心なことまだ聞いてなかった
オススメのメニュー、教えてください!ここのオススメメニュー「3本柱」は…まずコチラの「十勝しょうが焼き定食」↑黒いしょうが焼きが見るからに美味しそう!
続いてはコチラの↓梅じゃこチャーハン。梅とじゃこの組み合わせって
あまり聞いたことなかった気がするけど、
コレ、かなりイイかもしれない♪
そしてもうひとつは↑コチラのいちい弁当。
3品とも写真を見てもらうと、
立体感や色彩のある盛り付けとか
ちょっと凝った器だったりとか、
そういった視覚的な部分でも
お客さんを楽しませようという意識が
感じられる料理ですよね
そしてさらには唐揚げとかアジフライとか、
食べたい物をココにトッピングで加えて
いろんな付け合わせを楽しめる
メニューが用意されています
ちなみに大野さんは毎朝1時半に起きて
朝夕の新聞配達をしながら
その合間の時間にお店をやってるらしい
以前は夜も営業してたんだけど、
夜も長くお喋りしたいお客さんが来るのに
「もう時間だから帰って」とも言えないんで、
今は昼だけになったらしい
そんなワケで営業は11:30~のランチタイムのみ。
閉店は一応「13:30」となってたりするけど、
大野さん曰く「お客さんが帰るまで」
だそうです(笑)。
「いちい」は予約制の店じゃないんだけど、
大野さん的には「お店に来る時は
事前に電話で予約してくれると助かる」
とのこと。
お店が混んでてもそうでなくても、
お客さんが来店した時には
お茶や水のセットを全部しっかり用意して
準備していたい。
そういう想いがあっての
予約のオススメだそうですよ
その代わり、その「電話代」として
出口にキャンディーを置いてあるそうです↓僕らも取材を終えて帰る時、
アメちゃんいっぱいもらいました
ひょんなキッカケから、思いもしなかった
カフェの経営を始めた大野さんご夫妻。
「最初からあんまり力を入れすぎると
かえって途中で挫折するかもしれない。
でもやるつもりもない人がやると
面白いことがたくさん起こるんだよ」
と、なかなか深~いお言葉いただきました
新聞配達との二刀流は大変だと思うけど、
あんまり無理せずマイペースで
ステキなお店を続けてくださいね