アイヌ文化との出会い・後編。

カテゴリ/浦河町

予定より1回多くなりましたが

アイヌの話、続けますね。

尚、写真も前回までで使い切ったので

使い回しになりますがご容赦ください🙇🏻‍♂️💦

 

貴重なお話をじっくり聞かせていただき、

取材は当初の予定を超えて1時間半ほどに。

最後に、堀さん・八重樫さんのお二人に

僕からひとつ質問をさせていただきました。

「僕達がこれから先、アイヌ文化を

より理解していくために重要なこと」

って何なんでしょうか…?

 

まず堀さんのご意見からですが…「細く長くのお付き合い」とのこと

まだ付き合いの深くない相手に

いきなり人の気持ちも考えず

アイヌについてあれこれ詮索されると、

アイヌの方々の側が心を閉ざしてしまう。

島根出身の和人であるご主人と

40年以上一緒に暮らしてきた

堀さんならではの言葉ですが、

ご主人も結婚されてしばらくの間、

会話の中でアイヌについて触れないなど、

夫婦間でも土足で入るようなことのないよう

一定の気遣いがあったようなのです。

そうして同じ釜の飯を食べて

同じことを楽しんでいるうちに、

段々と心を開いていくようになった、と。

僕も取材とは言えあれこれ質問した後で

他人のことは言えないんですが💦

アイヌに限らず人付き合い全般にも

同じことが言えますよね…。

 

続いて八重樫さん。八重樫さんからは、ちょっと違う視点で

「理解しなくていいから、差別しないで」

というご意見をいただきました。

誤解があるといけないので

ちょっと補足させていただきますが、

僕らはともすると、アイヌについて

「もっと深く、正しく理解しなければ…」

という気持ちになりがちです。

実際、僕もそんな考えだったかもしれません。

でも、どんなに理解しようと頑張ったところで

一朝一夕にアイヌのこと全ては分からない。

今回も話を伺って感じましたが、

それだけ深い文化なのです。

様々な差別に苦しんできた

アイヌの方々からすれば、

たとえ僕達がアイヌを詳しく知ったところで

アイヌに対する差別が減ったり

アイヌの人口が増えたり、というような

直接的なメリットがある訳ではない。

むしろ露出が増えることによって、

比例してヘイトも増えたりする可能性がある。

アイヌを知ってくれる人が増えるより、

差別しない人が増えた方が良い社会になる。

そういう思いを持っているとのことでした。

お二人はアイヌ文化の普及活動もしているので

今回のようなお話をしていただきましたが、

普通こんな話は人にはしないそうです。

町中で堂々とアイヌの衣装を着て歩いたり、

アイヌ関連の活動をしていることを口に出すのも

最初は勇気が要ったとのこと。

そんな経験をされてきた上での、

前述の八重樫さんの言葉だと

ご理解いただければと思います。

これだけ文化や技術が発達した現代、

民族とか、国籍とか、肌の色とか、

性別とか、肩書とか…そんなものに縛られず、

その人本来の実力や個性を基に

互いをリスペクトし合える社会になってほしいですね。

最近は「ゴールデンカムイ」のヒットもあって

内地ではアイヌがカッコいいと言われたり

「アイヌになりたい!」

という人もいたりするそうです。

アイヌに似た例として

ニュージーランドの先住民族である

マオリ族の例が挙げられますが、

マオリもかつては野蛮な民族と見なされ

文化を受け継ぐ動きが下火になっていたものの、

ある時点から「マオリはカッコいい」

という風潮に変わってきたそうなのです。

するとどんどんマオリ文化を

継承する動きが活発化していき、

今では「マオリ語が喋れないと格好悪い」

という雰囲気になってきてるんだとか

なので、ゴールデンカムイなどがきっかけで

アイヌに憧れや敬意を抱く人が増えて、

マオリ同様アイヌ文化の継承も

活発になっていってほしい。

そう心から願います

 

今回は長く、重い話になりましたが、

辛い思い出も含めてお話を聞かせていただいた

堀さん、八重樫さん、

本当にありがとうございました🙇🏻‍♂️

そしてここまで記事にお付き合いいただいた

読者の皆さんもありがとうございます。

ここに書いた内容が、少しでも

皆さんの頭の片隅に残ってくれれば嬉しいな😉

 

明日は真狩村まで行って来まーす!