昆布干しその後。

カテゴリ/The HOME

今日の北海道は久々に過ごしやすかったな~

ホント、ここんとこ3週間以上

逃げ場のない暑さが続いてたけど

(北海道はエアコンある所少ないから

30℃くらいの暑さでもかなり堪えるんです…)

オリンピックの閉幕とともに?

夏も終わりに近付きつつあるのかな~…などと

感じた今日の気候でした。

明日は最高気温…20℃いかないかも

 

さて、今日は浦河の特産品のひとつ、

昆布のお話。

夏に漁が最盛期となる日高昆布

この時期日高地方を通ると、

沿道で昆布干し作業してる姿をよく見掛けます。

去年、その昆布干し作業の様子を紹介したけど、

干した昆布がその後どうなるのか

まだ見てなかったので、

今回そちらの様子を見学させていただきました訪れたのは東町地区にある作業小屋。

今回は、昆布漁師の佐藤利明さん

お話を伺います作業小屋の中はこんな感じ。

山積みされた昆布を相手に、

佐藤さんが1人黙々と作業を繰り返します。

傍らのTVにはオリンピックの飛び込み競技昆布の端っこをハサミでチョキチョキしながら

選別してるように見えるけど…見てるだけじゃよくわかんないんで

詳しくお話を聞きました。

この作業は「選葉(せんぱ)作業」といって、

乾燥させた昆布を等級別に仕分けしてるそうな。

昆布は1等から5等まで等級があるらしく、

それより下の昆布は加工用に回されるそうです。仕分け用の箱には「1~6」の数字。

これが等級を表すワケですね

実は1等や2等の昆布は市場にほとんど出回らず、

贈答用や懐石料理などの高級料理用に

出荷されるそうです。

一般によく見掛けるのは3等以下の昆布で、

ここにある昆布も3等が一番多いようですね。

ちなみに昆布巻に使われるのは

薄く、早く煮えて柔らかくなる4等の昆布。

おにぎりの具なんかに使われるのは5等、など

用途によって使い分けされてます

 

じゃあどうやって等級を見分けるのかというと、

主に「重さ」が基準らしいですが、

他にも厚さとか光沢とか、

実に様々な基準があるみたいですよ↓例えば色の良し悪しは黒さで決まったり、

端がペラペラだと良くない、とかあるそうで

さっき佐藤さんが端っこにハサミを入れてたのも

少しでも品物を良くする作業だったみたいですね。ただ、佐藤さんによると

この基準はあくまで「人間の判断」で、

言葉で説明するのは難しいらしい。僕も実物触りながら見てみたけど、

細かい違いはよくわかんない

これってやっぱり…アレですね!

「熟練の技」ってヤツですね

実は佐藤さんもかつては、

コレを体得するまでしばらくかかったそうです。

現在64歳の佐藤さん、

東京で一旦就職後、浦河に戻って

大工さんとして働いてたんですが、

昆布漁師をしていたお父さんが亡くなり、

35歳の時跡を継いで昆布漁師になったそうです。

だけど最初の1~2年はこの選葉作業が全然わからず、

やっと3年目から自分でやるようになったんだとか。

最近は若い昆布漁師もいることはいるけど、

昆布をとることはできても、

この選葉作業という一番難しい作業行程が

なかなか出来ないんで、

なかなか跡取りが現れないということです。

なんか…世界も全然違うし

おこがましいかもしれないんだけど、

そういう職人芸の伝承みたいなの…

スゴく分かる気がするなぁ…

 

去年見学させてもらった昆布干しだけど、

ああやって何時間か天日干しした後は

しばらく保管するそうです↓採れたての昆布はまだ青いので

3週間以上寝かせ、その間に

2~3回太陽に当てて乾燥を繰り返して

イイ感じの黒色が出てから

選葉作業に入るんだとか。

船で出掛ける昆布漁は道の条例で

6月中旬~10月中旬と決まってるそうですが、

今年は昆布の収穫が少なめらしいですね

あと、やっぱりコロナの影響もあって

料理で使われる昆布の量が減った関係で

昆布の価格も下がってるらしい。

近年は環境の変化もあって

昆布の収穫が減ってきてて、

昆布漁師の方々も減少してきてるそうです。

取り巻く環境はいろいろ厳しいけど、

ぜひこういう職人さんには

長く元気で頑張ってほしいな佐藤さん、貴重なお話ありがとうございましたお土産に昆布たくさんいただいちゃいました

コレでしばらくの間ダシに困らない(笑)。

明日は雨予報ですが、またまた

日帰りで浦河に行って来まーす!