The HOME～B☆Bみらい大志Diary～ | 北海道日本ハムファイターズ

引き続きコラムの再掲を。

コラムは文章が長いんで3日に一遍くらいの

ペースにしてますが、大丈夫ですか？

さて、今回はサインについてのお話です！

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#20　サインの価値

（2005年7月13日）

交流戦を挟んで約2ヶ月間に亘ったマスコット交流の旅も大詰めを迎え、僕は今最終地の神戸でこのコラムを書いています。実に10球場を回ったこのマスコット交流は、僕にとってものすごく実りあるものでした。皆さんに話したいことは山ほどあるんだけど、実は最後の「締め」としてオールスターも残っている。…という訳で、マスコット交流についての報告は次回に回したいと思います。

今回のお題は、前回も触れた「サイン」について。僕が球場などでお客さんとふれ合う際、一番対応が難しいのがこのサインなんですね。僕は日頃サインについてはあるポリシーを持ちながら対応させてもらってるんだけど、ファンの皆さんに誤解のないようにここで説明しておきたいと思います。

 

前回もお話しした通り、球場やイベント等でのグリーティングの際の対応は、大きく分けて写真撮影・握手・そしてサインの3通りがあるんですけど、実際ファンからのサインの要望は非常に多いです。だけど、僕はあえて普段自分ではサインペンは持ち歩いてません。それはナゼか？答えは単純で、グリーティングの場を単なる「サイン会」にはしたくないから。カメラを持ってないと出来ない写真撮影と違って、サインは筆記用具ひとつで気軽に頼めるためか、一度誰かにし始めるとキリがなくなる傾向があるんですね。近頃はカメラ付き携帯が当たり前になってるから、カメラもみんな持ってると言えば持ってるんだけど、それでもサインの方が「連鎖反応」が強い。自分でサインペンを持ち歩いてると、結局何十人も延々とサインし続けるハメになってしまうんですよ。サインばかりだと対応出来るファンの数も限られるし、どうしても機械的になってしまいがちなんで、そういう「サイン会」状態は出来るだけ避けたいんですよね。前回も書いた通り、僕の理想は握手・写真・サインの3つをバランス良く織り交ぜながら、出来るだけ沢山のファンに対応すること。僕が当然サインペンを持ち歩いてるものと思い込んでる人が結構いるみたいだけど、こういう理由でわざと持ってないんです。最近は、ペンを持ってない周りの人達に親切心で「ペン貸してあげるよ」って貸して回る方が結構いるんですけど…正直言うと、僕の立場からはコレあんまりやってほしくないんです💦選手にサインを求める場合だって、普通ファンが自分で筆記用具を持参するのがマナーだと思うんですよね。皆さん、本当にサインが欲しい時は自分でペンを用意して来てください！

「でも、出来るだけファンの要望に応えるのがマスコットの仕事なんじゃない？」と思う方もいるかもしれない。確かに、僕もみんなが「本当に」僕のサインをもらいたいと思ってくれてるんなら出来るだけ応えたいですよ。でもねー…色んな人見てると、「この中で一体どれだけの人が本当に僕のサインを欲しがっているんだろう？」とギモンに思う事が少なくないんです。中には「もらえるモンならとりあえずもらっとこうか」的な感覚で来られる人、結構いますからね

その「本気度」については、「これにサインして」と差し出す物で大体察しは付きます。僕は今まで1万回以上サインを書いてきたけど（モノの例えじゃなく本当です。どうしてそんなに書いたかは、また機会を改めてコラムに書きたいと思いますが）、実際これまで実に多種多様なモノにサインしてきましたよ。多いのは色紙やTシャツ・帽子・メガホン・ノートなど。他にも僕のパペット・カード・写真・バッグ・手帳、変わったところでは双眼鏡やスーツなんかにもしたことがあります（笑）。色紙や僕と一緒に撮った写真を差し出してくれる人や、ペンをちゃんと用意して来る人なんかは本気だな、って思えるし、シャツや帽子などのグッズ関連も分かるんだけど、中には随分と失礼な人もいましてね。クシャクシャの紙切れを差し出してきたり、飲み干した空のペットボトルや「手に書いて」なんて言ってくる人もいた申し訳ないけど、そんな場合はお断りさせてもらってますよ。せっかく書いたサインなんだから、書いた側としては後々大切にとっておいてほしいもの。だけどそんな物に書いたところで、後生大事にしてもらえるとは到底思えないですからね。素手の上にサイン書いたところで、手を洗ったらすぐ消えちゃいますし。フツー皆さんは選手に対して、そんなものに「サインして」ってお願いしたら失礼だと思いませんか？そこまででなくとも、球場で配布してるチラシの裏側とかにサインを頼まれるのは、正直あんまり気分は良くないですよね。いかにも「書く物がないからとりあえず」的な印象が否めないし、ほぼ全員が持ってるものだからこれもキリがなくなるキライがある。

 

色んな物にサインしてると、モノによって書きやすい・書きにくいってのは当然あります。やっぱり一番書きやすいのは色紙かな。Tシャツなどの布類は、書きやすいようにピンと引っ張ってほしいですね。時々気を利かせたつもりで下に下敷きみたいなのを入れてシャツを持って来る人がいるんだけど、あれはダメ。自分でやってみればすぐ分かると思うけど、ペン先が引っ掛かってスゴく書きづらいんです。

小さいグッズや丸い物とかも書きづらいですね。例えばミニバットやキーホルダーなんかは、書くスペースがほとんどないのでお断りしてます。B・Bのキーホルダーにサイン欲しがる人って結構いて、「小さいからムリ」とお断りしても「『B・B』の文字だけでもいいから書いて」って言われたりするんだけど、そんな誰でも書けるようなサインだったら、書く意味あんまりないと思うんですけどねぇ？

サインしづらい物はまだまだありますねー…。グローブなんかは書くスペース見付けるのに結構苦労するし、軟式のボールはデコボコしてて書きづらい。チケットとかペラペラのメモ用紙１枚だけ差し出されても、下敷きのような物がないと書けないし。リストバンドみたいなタオル地も、スゴく書きづらいんです。

筆記用具も重要で、僕指が太いんで（笑）持つ所が極端に短い・太い・細い…っていう筆記用具は書きづらいんですよ。一番苦手なのが、長さ5cmくらいの太くて短いマジック（この説明分かるかなぁ？）。それから、サインペンがないんでボールペンでTシャツや帽子にサインして、っていう人も時々いるけど、ボールペンと布はあんまり相性良くないですよ。インクが薄くて見づらかったり、消えやすかったりしますから。あとよくあるのが、うちわにボールペンって組合せ。書いてるとボコボコ穴が開いて書きづらいんです。

あと皆さんに声を大にしてお願いしたいのは、サインをもらう時は出来るだけペンのキャップを開けて渡してほしい。僕達の手ではキャップ外しづらいんですよ。ただ、ペンのキャップを外したまま至近距離で振り回したり抱き付いたりするのは絶対にやめてください！ユニフォームや顔にペン先が付いて汚れてしまうこと、結構あるんです。油性のインクはなかなか消えないんで、今まで何度泣かされたことか…。これって意外にマスコット共通の悩みなんですよ。

何だか注文ばかりになってるようで申し訳ないんだけど💦頼めば何にでもサインしてもらえると思って、無茶なこと言う方結構多いんです。メガホンにボールペンでサインしてとか、黒のシャツに黒のペンでサインしてとかちょっと考えれば、出来ることかそうでないかぐらいすぐ分かりそうなモンですけどねぇ。もし自分がサインする側の立場だったらどう感じるかを、皆さんにはまず考えてほしいですね。

 

サインする相手にも色んな方がいますねー。中には良く理解出来ない人もいまして、毎回毎回色紙にサインをもらいに来る「常連さん」とか（笑）。僕もよく来る方の顔ぐらいはちゃんと覚えてますから、サインしながら「この人って今まで10回以上サインしてるよな～」とか思ってますよ。そんなに毎日もらって、一体どうするんでしょうね～？正直言って、あんまり何度も来られると「もしかして売買目的？」なんて疑いたくもなりますよ。僕のサインなんかにそんな価値があるとも思えないけど、実際去年僕がサインしたボールがネット上でオークションに出されてたことがありまして。その時のコメントが、「勢いで何個かサインをもらったけど、余ってしまったので譲ります」みたいな感じで。さすがにこれには腹が立ちましたね。ある選手が「本当にサインが欲しいファンには喜んでしてあげたいけど、売買目的の人には絶対にしたくない」って言ってたけど、その気持ち良く分かります！

それから理解出来ないのが、同じ物に2度サインを欲しがる人。シャツにサインしたのが洗って薄くなってきたので…って言うんならまだ分かるんだけど、「こないだシャツの背中にしてもらったから、今度はお腹の方にして」とか言う人が最近いるんですよ。同じ物に2度サインするくらいなら、その分まだサインもらってない他の人にしてあげた方がずっといい。限られた時間の中で沢山の人に応対したいと思ってるこっちの気持ちを踏みにじられたような気がするんで、こういう場合も原則お断りさせてもらってます。

 

まぁ、これはあくまでも僕達の視点。僕が「この人は本当にサインが欲しいの？」と疑問を感じるような方でも、もしかしたら皆本心からサインが欲しいのかもしれない。でも、誰が本当に欲しいのか、誰が「とりあえず」的な感覚なのか、その辺の区別が僕達にとってはすごく難しいんですよ。だから、ある程度はこっちの判断でキッチリ線引きをしなければいけない。そんな訳で、試合前や試合中のグリーティングの際、当日の球場の混雑状況を見てどの程度サインに応じるかは僕自身が判断してます。出来るだけ不公平感をなくしたいので、する時はする、しない時はしない、途中で止める時には「列のここまで」ってことをアテンドにきちんとお知らせさせて、とにかくハッキリさせるようにしてますね。「今は時間がないので…」ってサインを断られて、「別にサイン1枚なんて十数秒で済むことじゃないの？」って思う人もいるかもしれないけど、1人にしてしまったら全員にしないと、「あの人にはしてくれたのに、どうして私にはしてくれないの？」ということになってしまう。「せっかく遠くから来たんで、何とかお願い！」なんて懇願されることもあるんですけど、原則的に例外なくお断りするようにしてます。「公平」という観点から皆さんに納得してもらわなければならないんで、こっちも色々とツラい立場なんですよ。

「やめ時」の判断の下し方も、すごく難しいんです。たとえば周りが混雑してきたり、そろそろグラウンドに戻る時間が近付いてきたりして「サインはここまで」って言った後に、突然人が少なくなったり試合展開が変わって長引き始める時がある。一旦何人かに断った後にまたサインを始めると、「さっきは断ってたじゃないか！」って不満が出るのは目に見えてるし、かと言って時間があるのに杓子定規に断り続けるのも不自然だし…。それと難しいのが、サインの最中に少年野球チームや修学旅行などの団体が来てしまった時。1人に始めてしまうと、全員にサインするまでもう何十人と延々サインを続けざるを得なくなる。こうなると、他のお客さんに対応出来なくなっちゃうんですよね💦

そんな訳でサインをお断りさせてもらう場合は結構あるんですけど、応じ切れなかった方のための「救済措置」として、僕は試合後のグリーティングでは原則的に希望者全員にお応えするようにしています。「帰りの都合でそんなに遅くまで待ってられないよ」と言う方もいるかもしれないけど、そういう方には今のところ「ごめんなさい！」と謝るしかない。サインがどうしても確実に欲しい方は、試合後のゲート外でのグリーティングに来てくださいね。但し、最近は「B・B待ち」のファンがかなり増えてきてるんで、1人1枚とかに限らせてもらう場合はありますけど…。

 

う～ん…前回予告（？）した通り、サインひとつで長～いコラムになっちゃいました見方によっては僕がサイン嫌いなんじゃないかと思われる方もいるかもしれないけど、決してそうじゃないんです。結局、僕が言いたいのはこういうこと。単に紙にペンで走り書きした文字が、どうして「サイン」として価値が出るのか？それは書いた人の心がこもっていて、初めて成立するものだと思うんですよ。心のこもってないサインなんて、ただのラクガキと大して変わらない。サインにどれだけ「心がこもる」かは、少なくとも僕の場合、相手がどれだけ心を込めてサインを欲しがってくれるかによりますね。だから本当に価値あるサインが欲しいと思う方は、それなりの礼儀と誠意を示してほしい。全ての基本はお互いの「信頼関係」なんです。エラそうに聞こえるかもしれないけど、書く側の気持ちをフツーに考慮して来ていただければ、僕は時間と状況の許す限り、出来るだけサインの要望にもお応えするつもりでいますから

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サインは当時も今もずーっと、

対応が難しい問題ですね💦

結局その後、色々試行錯誤したのちに

試合の時球場では基本サイン対応なし、

という形に落ち着いたんだけど、

最近は人がごった返してる中に出ることが

減ったこともあって、サインの対応も

前よりユルくはしてますね。

本当は僕もあんまりうるさいこと言ったり

ルールみたいなのは作りたくないんですよ。

一番理想なのは、皆さんの良識に任せて

問題なく上手く回ってくこと。

でも例えば、どんな物がサインしづらいとか

僕らにとってペンの貸し借りが

あんまり望ましくないこととかは

こっちの立場になってみないと

なかなか気づきにくかったりするんで、

もしこれからマスコットとふれ合ってみたい、

サインももらいたい、という方がいたら、

このコラムを参考にしてもらえると

いいかもしれません😉

 

ちなみに文中にもある通り、このコラムは

神戸でマスコット交流の最中に書いてたな～…

と思ってその頃の写真を見返してみたら、

こんな写真が出てきました↓

神戸のスカイマークスタジアム

（現・ほっともっとフィールド）で

オリックスファンの方にサインしてる場面。

写真をよく見ると、その前年に

近鉄のバフィ＆ファルルと撮ったもので

なんか球団合併に揺れたこの頃を

象徴するシーンでグッときましたね😢

もう18年も前のことだけど、

この人、今でもこのサイン入り写真

大切にしてくれてたら嬉しいな😊